2013年5月16日木曜日

『サッカー戦術クロニクルⅡ』

『サッカー戦術クロニクルⅡ』
西部謙司

サッカー戦術クロニクルに続く第二作目。
前作はトータルフットボールとは何か、という中心的な問いに沿って文章が展開されていたが、今作は現代サッカーの種々の戦術について、だいぶ幅広く取り扱っている。

現代サッカーとは何かと言われると、21世紀に突入してからは、カウンター型とポゼッション型のチームの2極化のように感じられる。
ただし、圧倒的にポゼッションを重視するチームは少なく、それゆえ、その代表でもあるバルセロナは多くの人を魅了するサッカーとしてみなされるのではないだろうか。

ただし前者のカウンター型といっても実際は様々で、いったんリトリートしてからカウンターを狙うチームもあれば、高い位置からプレスをかけてショートカウンターを狙うチームもある。

一つ言えるのは、ボールを持っているチームの方がリスクが高いということ。
より組織的で、固い守備陣が構えている場合は、なおさらだ。

本文ではチェルシー、リバプール、そしてノルウェーなどの戦術を例にとって、戦術を分析していく。
読書して思ったことは、チームの戦術はチームのメンバーによって、大きく左右するということ。当たり前のように感じるが、どんなに一貫したスタイルを貫いているように見えるバルセロナであっても、メッシがいるときといないときでは随分違う。
 かつてのチェルシーのカウンターもドログバというターゲットがいたから、あの戦術が用いられた。

今後のサッカー界においても、一部の突出した選手を中心とした戦術の進化が予想できる。


 

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